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駄菓子屋の当て物

 このワタクシの家から近くの駅まで行く間に、昔ながらの駄菓子屋があって、夕方には小中学生がたむろしている。

 この大東京に、いまだに昔ながらの駄菓子屋があるというのは少し妙である。
 我々が子供の頃には、店内の妙に薄暗い駄菓子屋があちこちにあったものだ。
 勝手な記憶だが、1980年代の中頃から、これらの駄菓子屋は、大手コンビニチェーンの名前を付け始めたり、そうでないものはこの世から消え去って行ったような気がする。

 まだ10歳くらいの頃のことである。(うわ~、もう30年も前か。。。)
 このワタクシは、手にした僅かばかりのお年玉を手にして、近所の駄菓子屋にいた。
 その頃、その店では、何かのお菓子を買うとくじ引きができるというキャンペーンをやっていた。
 店内には、縦1メートル、横70センチ、高さ15センチくらいの箱が置いてあり、表面には番号が書いてあって、くじ引きで出た番号のところを突き破ると、今でいうアニメのフィギュアのようなものがもらえたのであった。
 このワタクシは、どうしても欲しいフィギュアがあったので、お菓子を買ってくじを引いた。
 見事に外れた。
 もう一回お菓子を買って、くじを引いた。
 何か当たったのだが、欲しいものではない。
 これを何回か繰り返した。
 
 箱の表面はところどころに穴が開いていて、運の良い者がそれなりのフィギュアを手にしていたようである。とはいえ、このワタクシが手にしたい、1等や2等はまだ残っていた。
 何回かお菓子を買ってくじを引いているうちに、このワタクシはすごいことに気付いた!
 なんと、くじがあと4~5枚しかないのである。
 箱の表面に、空いていない穴はあと3つくらいである。
 つまり、全部のくじを引けば、確実に1等と2等は当たるわけである。

 既に15個くらいの、必要のないお菓子袋を抱えたこのワタクシは、さらに一つ買ってくじを引いた。
 はずれた。
 また買った。
 はずれた。。。
 箱の表面には、開いていない穴が3つ。残りくじは3つ。
 子供心に、心の中でほくそ笑んだ。
 駄菓子屋の、多分70歳くらいのおばあさんは、このワタクシの密かな喜びにまったく気付いていないのか、相変わらず無愛想にしていた。
 お菓子を買った。
 くじを引いた。
 はずれた。。。
 そんなはずはない。
 またお菓子を買った。
 くじを引いた。
 はずれた。。。
 残りのくじは1つ。当たりは3つ。
 いくらなんでも、最後のくじには「1等賞」と書いてあるはずである。
 お菓子を買った。
 くじを引いた。
 はずれた。。。
 ありえない。。。

 ひょっとすると、まだくじがあるのか?
 おばあさんに聞いてみた。
 おばあさんは、「もうない」と無愛想に答えた。
 そこでこのワタクシは、なぜくじがないのに当たりが残っているのかを聞いてみた。
 おばあさんは、不思議そうな顔をして、「全てが当たるわけではない」とこちらの顔も見ずに答えた。
 「・・・・・・」

 その瞬間、このワタクシの中の、純真な少年の心は消え去ったのである。
 大人の世界は、嘘に満ち溢れている。
 あれから30年、、、人を信用することはまったくなくなってしまった。。。
 そして今、いかに人を騙して儲けるかを日夜考えている自分がいる。






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コメント (2)

miha:

今現在、うちの近所にも、駄菓子屋があります。
最近、ひそかに駄菓子屋は復活してるのかも?(もしかして、大人の郷愁のため?)

子供のころの駄菓子屋の思い出と言えば…
お金を払ったのに、払ってないと疑われ、イヤな思いをしたことが!
友だちが、払ってるところを見たと言ってくれて、お縄(?)は免れましたが…
友だちが証言しなかったら、今流行のえん罪になるとこでした。。。

mihaさま、
 それは大変な思いを。
 市中引き回しの上、打ち首獄門になっていたかもしれませんね。。。

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