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ダイヤ改正

 7月1日。

 中部国際空港(セントレア)を午前に経つ飛行機に乗るために、朝一番の新幹線で名古屋に行くことになった。
 昨日の夜、なんとか最寄のJRの駅が閉まる前に到達し、「のぞみ1号」のチケットを購入した。
 そのあと、6時発に乗り遅れてはいけないというプレッシャーなのか、そもそも毎日朝まで起きているからなのか、まったく寝付けない。
 結果的に、4時の時点で寝ることは断念し、シャワーを浴びて家を出た。
 既に外は明るい。

 家の近くの地下鉄後楽園駅を5時8分に出る始発電車に乗って東京駅へ。
 強烈な睡魔のせいか妙にハイな気分である。
 車内は日曜日の早朝にもかかわらず座席の半分が埋まるくらいの人が乗っていた。
 面白いことに、それらの客の風貌が妙に似ている。
 何人もの客が、首からカメラ、それも結構高級そうなカメラをぶら下げている。おまけに、朝っぱらにもかかわらず妙に目がギラギラしている。
 もっとも、こっちが眠いからそう思えたのかもしれない。
 アッという間に東京駅に着いた。

 東京駅。
 運の悪いことに、このワタクシの乗った車両は、エスカレーターに遠いところに停止した。
 ドッコイショと足を持ち上げながら階段をトボトボ昇る。
 他の客は妙にウキウキと階段を昇っている(ように見える)。
 丸の内線のホームと新幹線のホームはあの巨大な東京駅を全て横断しないといけないくらい遠い。
 昨夜駅で時刻表を見たときは、入線時間が5時30分となっていた。
 既に5時20分だったので新幹線ホームに到達し、電車が入ってきたら、あとは遂に寝るだけだ。
 もう少しの辛抱だ。

 在来線の改札を通り、果てしない道のりを歩いて新幹線の改札に着いた。
 な、な、なんと、改札が開いていない。
 5時30分から改札開始するらしい。
 おまけに、改札の前には黒山の人だかりができている。
 これがいつもの朝の光景なのか、それとも特別な光景なのかは分からない。
 仕方がないので、改札から少し離れた壁にもたれて5時30分を待った。
 それにしても、黒山の人だかりの中にいる個々の人は、これまたほとんどの客が同じような格好をしている。
 つまり、、、首からカメラをぶら下げているのだ。
 
 改札が始まった。
 黒山が一気に構内になだれ込んだ。
 我先にと皆が走っている。。。
 アホな、、、なぜ走る必要があるのだ。
 黒山が崩れてきたので、このワタクシも改札に向かう。
 そのとき、柱に貼ってあったポスターが目に入った。
 
 「新!
  7月1日、
  N700系デビュー、
  新しいダイヤへ。」

 その下に書いてある小さい文字を読んでみると、、、
 なにやら、今日から投入されるN700系(って何?)のおかげで、東京-新大阪が2時間20分台になるとのことである。
 要するに、黒山は新型車両目当ての鉄道ファンだったのだ。

 いずれにしても、新型車両などどうでもよいし、とにかく眠かったので、なんとか自分の席に到達すると、このワタクシはいきなり爆睡を始めた。
 どれだけ寝ていたのだろうか、いきなり人に起こされた。
 隣の窓よりの席に座るオッサンが「通してくれ」と言っている。このオッサンは、カメラではなくビデオカメラを握り締めている。
 まだ電車は東京駅に止まっていた。。。 たった数分しか寝ていなかったのか。。。

 辺りを見回すと、恐ろしいことに、ほとんどの座席が埋まっている上に通路までギッシリである。
 そして、発車直前のアナウンスで通路にいた客のほとんどが降りてしまった。なんと、入場券だけで突入してきていたようである。
 おまけに、最初の停車駅である品川で、再び大量に人が降りた。おいおい、東京から品川に行くなら山手線か京浜東北線で行ってくれ。急ぐなら東海道線か横須賀線でよいだろう。。。 もっとも彼らの目的は違うのだろうが。
 そして、品川駅のホームにもカメラ小僧が溢れ帰り、次の新横浜でも同じ光景が見られた。

 新横浜を出た「のぞみ1号」は一路西へ。
 ようやく次の名古屋までは熟睡できるかと思いきや、満席の車内は、にわかに鉄道ファンのオフ会状態となっている。
 隣の席に座ったもの同士が、他人にも関わらず、お互いに鉄道を熱く語り始めているのである。

 結局、このワタクシを寝かせることなく「のぞみ1号」は同じく鉄道ファンが待ち構える名古屋駅に滑り込んだ。
 名古屋の快晴の空の下を走る名鉄車内でも眠ることができなかったこのワタクシが飛行機のシートベルトを締めた瞬間、飛行機は目的地の空港に着陸していた。

 客室乗務員が、「あまりに熟睡しておられたので、食事をお持ちするのもどうかと思い、、、」と言うのを聞いた瞬間、お腹から大きな音が聞こえてきた。。。






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コメント (6)

miha:

メンズラしく、細かく写真など掲載されているし…
ぱんちょさん自身が、実は、黒山の一味だったのではないか?
…という疑念を拭えない感がありますが。。。


(それにしても、いつも、触発されるネタ満載のブログですね。また、こちらも、いろいろ書きたくなってしまいました)

 このワタクシ、昔は時刻表研究家として暇さえあれば鉄道の旅に出ていました。
 そういう意味では、こののぞみ1号に乗ったのは、本来であれば記念すべきことでした。
 しかしながら、時は流れ、このワタクシの興味もウツロッテいるので何の感慨もなかったのでした。
 とはいえ、いつもであれば、このような状況になると関係者(この場合、騒がしい鉄道ファン)を罵倒しているであろうこのワタクシが、罵倒する気にはなれなかったは、自分の昔を見ていたからかもしれません。

miha:

実は、このワタクシも、7月1日はちょっとした鉄道の旅(?)をしたので…
そのことを「ぱん恋」風に書いてみました。
(しかし、完全実話であるってところは違いますが)

http://miha27.seesaa.net/article/47273221.html

「ぱん恋風」ってのが気になりますな~。

 本家本元の「ぱん恋」は、
 1) ハッピーエンドが多過ぎる、、、
 との御批判が多く、なかなか次の作品が生み出せないでいると、
 2) 新しい作品はないのか、、、
 との御批判につながり、
 週刊誌の連載漫画家のように、「作家先生病気療養中のためしばらく休みます」状態になっています。

 どうしたら、次の作品が生み出せるのだろう。。。

miha:

>「ぱん恋風」ってのが気になりますな~。

>本家本元の「ぱん恋」は、
>1) ハッピーエンドが多過ぎる、、、

す、すみません。
でも、ぱん恋はハッピーエンドが多いとは言え、内容が切ないものもあるので、お許しください、縛り首だけは。
(っていうか、こちらのは実話なので、もともとハッピーエンドは少ないのが現状です。じゃなきゃ、今ごろ。。。)
ちなみに、あれは、名作「グリーンシート」などを意識して書いてみたのですが…


>2) 新しい作品はないのか、、、
との御批判につながり、

それは、ご批判というより、ご期待の現れでしょうな。。。よいことです。


>どうしたら、次の作品が生み出せるのだろう。。。

ネタ作りの旅に出たらどうでしょう。。。

Pancho:

>ネタ作りの旅に出たらどうでしょう。。。

 最近は、旅が旅以上のものを生み出せなくなってきました。。。

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